関西の中学受験生におかれましても、早いところでは海陽学園、岡山中等で既に前受けが始まっており、統一入試日まで1か月を切りました。
プレッシャーはピークに
お子様・保護者様の緊張感やプレッシャーはピークに達しつつある事と思われます。
そんな中、よくご相談いただくのは「親はこの時期、何をすればいいの?」「子供にどう接してあげたらいい?」とのお悩みです。
特にこの時期は、お子様にとって思うようにいかないことがあるとイライラされることが多く、塾や学校でそれが表面化する子も中にはいます。
大半、そのイライラは家族、特にお母様に向けられることがほとんどです。
それが兄弟喧嘩にもなり弟様妹様を泣かせてしまったり、男の子では壁に穴をあけてしまった子もいました。
ようやく10歳を超えたばかりの小さな胸には、言い知れぬ不安と怖さで一杯です。
期待に応えたいからこそのイライラ
お子様のモチベーションの中では「志望校に入りたい一心」「友人に負けたくない気持ち」も大きな要素ですが、私がこれまで感じた大多数の一番大きなモチベーションは「親の期待に応えたい」でした。
それが故に、一番多い時間を共にするお母様がそのイライラの矢面に立つことが多くなります。
当然、親御様のご不安も多大なものです。普段とは違うわがままや八つ当たり、投げやりな言葉は時に許しがたいものになり、大きな声での言い合いになってしまうこともあるでしょう。
ですが、是非、この時期は寛大な心で受け止めてあげていただきたいと思います。
とは言え、全てを受け入れ、許してあげることは時にお互いにとって逆効果にもなります。
大事なのはよく話を聞いてあげること。
お子様が怒りに任せて放った言葉や行動も多く、その時に頭ごなしに叱りつけ机に向かわせるよりも、勉強の時間を多少犠牲にしてでも膝を突き合わせて気持ちを聞いてあげることが大切です。
心境を認めてあげ、間違った言動や行動を正し、最後は少しだけでも一緒に楽しい時間を過ごしてあげることも必要です。
中学受験生が親と喧嘩をした後に受けたテストは成績は落ち、逆に親に褒められたり笑いあった日の後の成績は高い傾向がある、というデータがあります。
「親の期待に応えたいパワー」は予想を上回ります。
息抜きは大切な受験対策
「遊んでる暇なんてない!」とお叱りを受けるかもしれません。その場合、勉強の延長線上で時折息抜きをさせてあげることも有効です。
暗記問題を楽しいクイズ形式にしてあげたお父様や、歴史年号と出来事を面白い替え歌にして教えてあげていたお母様もいらっしゃいました。
テキストでも少し緩めで「アハ体験」ができるようなクイズ形式の参考書を休憩時間に一緒にやってみるのもいいでしょう。
お子様にとって、楽しい体験は気持ちの「切り替え」にもなります。
好奇心や面白いなどのポジティブな感情は暗記を促進するということが脳科学でも証明されています。
中学受験というほとんどのお子様が人生初である関門を突破した後は、一段も二段も大人になっています。
受験を終えた後に親御様にこれまで言えなかった「ありがとう」を笑顔で伝えるお子様も多く、親御様はその一言でこれまでの苦労が吹っ飛ぶことでしょう。