歯学部の受験についての最新情報です。
近年、歯科医師過剰と言われていますが、地方の歯科医師不足、高齢者への訪問治療の必要性、インプラントや審美歯科、又スポーツ歯科という分野の注目等、これから新たなフェーズにも展開していく将来性のある職業だと言えるでしょう。
全国の国公立・私学の歯学部
大学についてみていくと、国公立歯学部は数が少なく全国に12大学しかなく、そのうち公立大は九州歯科の一校のみです。
12校のうち北海道1東北1関東1中部1近畿1中国2四国1九州4と西高東低の傾向があります。
特に中部地方は新潟(北信越)しかなく、偏りが見られます。
すなわち、国公立歯学部は選択肢が狭く、狭き門とも言えるでしょう。
片や私学は17大学で愛知県を西日本としても、東日本14西日本3とこちらは東高西低の傾向が顕著です。
東日本の中でも8大学が首都圏に集中しています。
首都圏以外の受験生にとっては地元にある国立大に歯学部があるか、なければ下宿の確率が高くなるということになります。
国家試験の合格率
大学選びの選択肢が限られる中ではあっても、大学を選択するにあたり重要となってくるのは国家試験の合格率です。
近年の国家試験合格率平均は60%程度であり、年々狭き門になっています。
国公立は総じて合格率は高い傾向にありますが、私学は大学により大きく国家試験合格率の差が見られるため、将来の目的を見据え、慎重に大学選びをする必要があるでしょう。
薬学部のテーマの際にも触れましたが国家試験前の学内試験の透過率も見る必要があり、中には大学卒業はできるが国家試験は受けさせてもらえない大学があるとも耳にしたことがあります。
又、附属の病院を持っているのかどうか、歯科大か総合大かというポイントも大学を選択する上で重要になってきます。
大学毎の強みを調べて大学選びが必要
近年、岩手医科のようにハーバードと提携し教育改革に臨みながらも定員を減らし一人に掛ける手厚さを重視した結果、合格率を伸ばしているなど変革している大学も増えてきています。
このように大学毎の強みもよく調べ大学選びをすることも必要です。
歯学部受験について
国公立は5教科7科目の共通テストと二次試験英数理科二科目+面接が主流です。
ただ長崎は数学と理科が選択制になっており、鹿児島は理科は一つです。
又、九州歯科は理科が総合問題となっており、基礎レベルですが化学物理生物の対策が必要です。
後期募集をしている大学は年々減っており、実施している大学のほとんどは小論文を課します。
共テのボーダー、二次の偏差値上、九州歯科、鹿児島あたりは入りやすくも思えますが、九歯の総合問題への対策の取りづらさ、鹿大の理科の1科目集中と一概にも有利とは言えなさそうです。
大事なのは共通テスト
大事なのはやはり共通テストです。
12大学しか選択肢がない上に二次試験科目も大学間でそこまで差がない為、共通テストで8割以上取る事ができれば選択肢が拡がるという事です。
ただ、旧帝大・医科歯科は二次配点が高いため、志望する受験生は早めに赤本対策に取り掛かることが必須であり、共テ8割以上は絶対条件です。
住んでいる場所にもよりますが地元の歯学部に行くという事が難しい傾向にある歯学部受験です。
「歯学部であればどこでも」という考えも大事ですが、視野を広げつつ国試合格率、大学の強み等から自分に合った大学を早めに選択し、共テ対策中心に対策を練りましょう。