大学附属校について


人気を集める大学附属校

大学附属校が近年さらに人気を集めています。

コロナ禍の影響は大きく、過去には受験自体が見送りになった大学もあり、いつどうなるかわからない言い知れぬ不安の中、安定志向が増えた結果です。

しかし、コロナ前より有名私立大の附属中学受験は「お得」とされてきており一定の人気はありました。

大学受験で高偏差値高倍率である学校が中学受験では最難関という訳ではなく大学受験に比べると入りやすく、6年間のびのびと学校生活を送ることができるというメリットがありました。

しかし、近年の人気上昇を背景に中学受験においても有名私立大附属中の偏差値や倍率は急上昇しています。

とは言え、最難関校レベル程ではなく、まだまだお得感はあるようです。

大学附属校の2つの種類

大学附属校と言っても大きく2つに分かれます。

国立大学教育学部の附属校

一つは国立大学教育学部の附属校。

これは全国47都道府県に有り、都道府県によっては幼稚園~高校まである学校や高校がない、幼稚園がない等様々です。

ただ、例えば岡山大学教育大学附属中(地元では附中と呼ばれている)は附属高校はありませんが、附中の多くの生徒は県内トップの県立朝日高校に受験を経て進学します。

全附連という社団法人組織が全国レベルで学校教育の研究や教員の養成や研修を行っており、国の指導要領が忠実に実践されています。

近年で言えばアクティブラーニングや探究活動などはいち早く現場に取り入れられていました。

又、親御様の転勤で他の都道府県に引っ越す場合、引っ越し先の附属校に空きがあれば転入試験を経て入ることが可能です。

高校まで附属がある都道府県の高校生の進路については都道府県別で様々であり、例えば大阪教育大学附属の高校生の多くは京大、阪大を受験し、片や名古屋大教育大学附属の高校生のほとんどは名古屋大を受験し、関東最難関の筑駒は理Ⅲを目指します。

又私学でも久留米大附設中高や神戸女学院中高のように附属でありながらトップ校として国立医学部を目指す学校も多くあります。いずれにしても大学進学については有利な道と言えるでしょう。

有名私学の附属校

次に有名私学の附属校。ここでは特に人気の高い関西の関関同立の附属校を中心に触れていきます。

受験生の多くは大学はそれ以下の大学にはならないだろうという安心感と6年間のびのびとした環境で勉強ができるという理由で受験します。

実際、多くの附属校のほとんどの生徒がその大学進学が可能であり、学校により上位層は国立・医学部を受験します。立命館のように中3よりMS・コアとコースを分け、MSの生徒は実際、医学部を目指す生徒が多くいらっしゃいます。

又、関西大学第一高でも多くの生徒が国立大に進学をされています。

又、大きな魅力は「高大連携」の教育が受けられる点です。大学のキャンパスで大学生と授業や実習を受けることができることで早くから将来につながる専門性を学ぶことができ、部活動でも大学生と一緒に活動できるメリットは大きいです。

又、設備も充実しており、他校にはない環境と規模で6年間を過ごすことができます。

大学がついているからと言って安心はできない

しかし、大学がついているからと言って安心はできません。

ほとんどがその大学に上がれる高校でも、学部の選択は上位順です。

人気のある学部は上位生が占め、ぎりぎり進学できた高校生に関しては学部は選べないなんてことにもなりえます。

又、附属校の中にはその大学への進学率が低い高校もあり、せっかく附属校には入ったが結局受験勉強に苦労するケースもあります。

さらに近年は大学受験を突破してきた外部受験生との学力差を生じさせないためにも内部進学の条件が厳しくなってきています。

進級の要件にTOEFLの一定点数や検定合格を条件としていたりと「ゆったりのびのびと」とまではいかなくなってきているのが現状です。

自分の将来を見据えて大学附属校を考える

大事なのは「その先」です。

自分の将来を見据えたときにその大学に希望学部がないことがあります。

その場合、進学する附属中高によっては、外部受験の勉強がしづらい環境もあります。

将来が定まっていない生徒は可能性を拡げるという観点で、附属学校に進学したとしても、外部受験をも見据える選択肢もあった方が望ましいとも言えます。

その附属中学校・高校を受験するからにはその大学で夢がかなえられるかを今一度自分に問いかけ、その切符を掴んでください。

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