歯学部の受験について

歯科医師過剰と言われる近年ですが、地方の歯科医師不足、高齢者への訪問治療の必要性、インプラントや審美歯科、またスポーツ歯科という分野の注目等からも、歯科医はこれから新たなフェーズにも展開していく将来性のある職業だと言えます。

全国の国公立・私立の歯学部

国公立大学の歯学部は数が少なく、全国に12大学しかありません。
そのうち、公立大学は九州歯科の一校のみです。

全国の歯学部(国公立大学)
国立

  • ・北海道大学
  • ・東北大学
  • ・東京医科歯科大学
  • ・新潟大学
  • ・大阪大学
  • ・岡山大学
  • ・広島大学
  • ・徳島大学
  • ・九州大学
  • ・長崎大学
  • ・鹿児島大学

公立

  • ・九州歯科大学

12校を地域別で見ると、北海道1・東北1・関東1・中部1・近畿1・中国2・四国1・九州4と西高東低の傾向があります。

特に、中部地方は新潟(北信越)しかなく、偏りが見られます。

これらのことから、国公立大歯学部は選択肢が狭く、狭き門と言えます。

全国の歯学部(私立大学)

  • ・北海道医療大学
  • ・岩手医科大学
  • ・奥羽大学
  • ・明海大学
  • ・東京歯科大学
  • ・昭和大学
  • ・日本大学
  • ・日本大学 松戸歯学部
  • ・日本歯科大学
  • ・日本歯科大学 新潟生命歯学部
  • ・神奈川歯科大学
  • ・鶴見大学
  • ・松本歯科大学
  • ・朝日大学
  • ・愛知学院大学
  • ・大阪歯科大学
  • ・福岡歯科大学

一方、歯学部のある私立大学は17大学あり、愛知県を西日本としても、東日本14・西日本3とこちらは東高西低の傾向が顕著です。

また、東日本の中でも8大学が首都圏に集中しています。

首都圏以外の受験生は地元の歯学部のある国公立を目指すか、私立大であれば下宿や学生寮を利用することを念頭に首都圏の大学を目指す、ということが考えられます。

歯科医師国家試験の合格率

大学選びの選択肢が限られるなかであっても、大学を選択するにあたって重要となってくるのは歯科医師国家試験の合格率です。

近年の国家試験合格率平均は65%程度であり、年々狭き門になっています。

国公立は総じて歯科医師国家試験の合格率は高い傾向にありますが、私学は大学により大きく国家試験合格率の差が見られます。

将来の目的を見据え、慎重に大学選びをする必要があるでしょう。

薬学部のテーマの際にも触れましたが、国家試験前の学内試験の透過率も見る必要があります。

また、附属の病院を持っているのかどうか、歯科大か総合大かというポイントも大学を選択する上で重要になってきます。

大学ごとの強みを調べて大学選びが必要

岩手医科のように、ハーバード大学と提携して教育改革に臨みながらも定員を減らし一人に掛ける手厚さを重視した結果、合格率を伸ばしているなど変革している大学も近年増えてきています。

このように、大学ごとの強みもよく調べ大学選びをすることも必要です。

歯学部受験について

国公立は5教科7科目の共通テストと、二次試験英数理科2科目+面接が主流です。

ただ、長崎は数学と理科が選択制になっており、鹿児島は理科は一つです。

九州歯科は偏差値上入りやすいものの、二次が物理・化学・生物を含む総合問題となっており、化学物理生物の対策が必要です。

後期募集をしている大学は年々減っており、実施している大学のほとんどは小論文を課します。

共通テストのボーダー、二次の偏差値上、九州歯科、鹿児島、新潟あたりは入りやすくも思えますが、九州歯科の総合問題への対策の取りづらさ、鹿大の理科の1科目集中と一概にも有利とは言えなさそうです。

大事なのは共通テスト

大事なのはやはり共通テストです。

12大学しか選択肢がない上に二次試験科目も大学間でそこまで差がない為、共通テストで8割以上取る事ができれば選択肢が拡がるという事です。

ただ、旧帝大・医科歯科は二次配点が高いため、志望する受験生は早めに赤本対策に取り掛かることが必須であり、共通テスト8割以上は絶対条件です。

住んでいる場所にもよりますが、地元の歯学部に行くという事が難しい傾向にある歯学部受験です。

「歯学部であればどこでも」という考えも大事ですが、視野を広げつつも国試合格率や大学の強み等から自分に合った大学を早めに選択し、共通テスト対策中心に対策を練りましょう。

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