英文法に苦手意識を持たないための勉強法
学び方は、一つではありません。一人一人にしっくりくる勉強法というものも、違います。
テキストも、レイアウトやフォントや紙質一つとっても、合うあわないがあります。
なので、「絶対このテキストを使ってください」とか、「絶対こう勉強してください」と言うことは本当は難しいのですが、多くの生徒さんを見てきて、「この勉強法はまずいな」というパターンがあることは見えてきますし、それを避けるにはどういう勉強法がいいのかおのずと見えてくるのも事実です。
ここでは文法の学び方について簡単に話します。
「文法」とは何のために勉強するのか?
まず、文法とは何のために学ぶのかというと、文を理解して、また文を作れるようになるために学びます。
いいですか?もう一度言いますよ。文法とは、文を理解し、文を作れるようになるために学ぶのです。
言い換えれば、自分が文法をマスターしているかどうかは、文を理解し、文を作れるかどうかでしか、測れないのです。
文を理解することと、文を作ることは、どちらが先かというと、文を理解することです。
文を知らなければ、文を作ることはできません。
子供が言葉をしゃべれるのは、親から言葉を聞いているからですね。
「文法がわからない!!!」
そうお嘆きの生徒さんは、無数にある(ように思える)文法項目が頭の中で整理できなくてパニックになっています。
嘆きたくなる気持ちは分かりますが、まず落ち着いてください。
「文法がわからない」という問いを、まずは「文を正確に理解できない」「書いてある・言っていることがわからない」という問いに頭の中で変換してください。
ここでもし、「書いてあることはなんとなく分かるんだけど、文法の細かなことがわかんない」とあなたが思ったのなら、要注意です。「なんとなく分かる」というのは「正確にはわからない」を意味し、それが他の受験生との差になるからです。
参考書が文法項目を解説する際、必ずそこには例文がありますね。解説を一通り読んだ後は、その解説の理屈にのっとることで例文を正しく訳すことができるかどうかを必ず確認してください。
絶対に避けたい英文法の勉強法
例えばですね、
No sooner had we got up on deck ( ) a native gave a loud shout.
1 when 2 than 3 where 4 that (龍谷大)
という問題を見て、「No soonerって前にあるから後ろはthanだな」と問題を解き、そこで満足して終わるのは、最悪の文法学習なわけです。
soonの意味、それが比較級になり、さらにnoが加わり、thanの後に文があることで「私たちが甲板に出るとすぐに現地の人が大きな叫び声をあげた」という訳になることが、論理的に納得できて初めて、この文法項目を理解できたと言えるのです。
文法の理屈と訳とが頭の中で正確に対応すること。
これを目指してください。
理屈と訳との対応関係を納得できるほど、あなたはいい正しい学習をしていますし、「no sooner ~ than …で ~するとすぐに…だ。よし、次。」となっているときほど、文法嫌いへの道を歩んでいると言えます。
気をつけてくださいね。