甲陽学院中学校の2025年度入試の傾向と対策

甲陽学院中学校の受験を希望される生徒の皆さんとそのご家族へ向けて、甲陽学院中学校の2024年度入試の傾向・対策をまとめました。

甲陽学院のカリキュラムや校風など特色もまとめましたのであわせて参考にしてください。

【わかること】

  • 甲陽学院中学校の入試概要
  • 甲陽学院中学校入試の傾向と対策
  • 甲陽学院高校の大学進学実績
  • 甲陽学院中学校の特色
  • 甲陽学院中学校の数学の進度

甲陽学院中学校の入試概要

甲陽学院中学校の入試日程など詳細は以下の通りです。
入試は2日間にわたって行われます。どちらか1日ではなく、両日受験する必要があります。

出願期間
2024年12月23日(火)9:00 ~ 2025年1月6日(金)17:00

試験日・科目
2025年1月18日(土)講堂集合8:15 国語・算数・理科
2025年1月19日(日)講堂集合8:15 国語・算数

合格発表
2025年1月20日(月)16:00

募集人数
男子 200名

甲陽学院中学校入試の傾向と対策

1月18日(土) 国語(55分・100点) 算数(55分・100点) 理科(55分・100点)
1月19日(日) 国語(55分・100点) 算数(55分・100点)

【国語】
甲陽学院中の国語の試験構成は、1日目と2日目で大きく構成が変化する灘中と異なり、2日間とも同じ傾向です。

両日長文が2題出題されます。基本的には物語と論説であることが多いです。

漢字問題は、灘や東大寺に比べると比較的易しく、本文中で線の引かれている語句を漢字にする形式です。ここは確実に得点しておきたい部分です。

出題される長文は難解な書籍からの出題も多く、読解に時間がかかります。

出題文は最新の著作から選ばれており、最近出版された本を採用している印象があります。

記述問題がありますが字数制限のない記述解答がほとんどで、2023年度入試では、記述問題で6割程度の配点があったと思われます。解答欄の大きさから自分で字数を決めて解答します。

また、近年は限られた文字数で書かせるタイプの記述問題もあるようです。

記述解答は部分点がもらえますので、記述演習は必須です。
甲陽学院中の国語で合格ラインを超えるなら、記述問題が肝要と言えます。

甲陽学院中の物語文の問題は、小学生には心情理解が難解であるような文章が毎年出題されます。
先生によっては、甲陽学院中の長文読解問題が一番難しいという先生もいるくらいです。

【算数】
国語と同様に試験は2日間同じような問題構成です。
1日目、2日目ともに大問は6題構成で、総設問数は15問程度です。

出題される単元が比較的明確であるため、過去問、問題演習が肝要です。

数論と図形が多く出題される傾向があり、他にも速度や数列等が出題されます。

図形問題は全体の3割程度を占めていますが、甲陽学院の特徴として、図形問題の配点が高く、作図力を問う問題も近年は多くなっています。

大問1以外はすべて解き方を書く解答形式で、正答できずとも部分点を獲得できる可能性があります。途中の式や図なども書く練習が必須です。

【理科】
例年通りであれば、物理2題、化学2題、生物1題、地学1題の構成で出題されます。また、小問数は約60問ほどです。

過去10年間の傾向として、物理分野では力学と電気の単元、化学分野では中和と溶解度の単元が頻出です。

過去問の傾向から計算問題が頻出であると言え、物理の力学や化学の水溶液の計算など、解答に時間を要する問題が多く、思考力と計算能力を問う問題が出題されます。

物理と化学の小問の後半には超難問が含まれることがあり、制限時間内に60問以上解くことを考えると問題の取捨選択も行わなければなりません。

甲陽学院中学校・甲陽学院高等学校の基本情報

甲陽学院中学校・甲陽学院高等学校の基本情報は下記のとおりです。
設置者は酒造家・白鹿グループの学校法人辰馬育英会です。

名称
学校法人辰馬育英会 甲陽学院中学校・甲陽学院高等学校

所在地
中学校  〒662-0955 兵庫県西宮市中葭原町2−15

高等学校 〒662-0096 兵庫県西宮市角石町3-138

通学方法・アクセス

甲陽学院中学校と甲陽学院高等学校は校舎がそれぞれ離れた場所にあり、中学と高校で通学する校舎が異なります。

夙川駅から見て南側(海側)が中学校、北側(山側)が高校です。

中学校
阪神本線 香櫨園駅 南へ徒歩10分
JR神戸線 さくら夙川駅 南へ徒歩17分
阪急神戸線 夙川駅 南へ徒歩20分

高校
阪急甲陽線 甲陽園駅 西へ徒歩20分
阪急神戸線 芦屋川駅、JR神戸線 芦屋駅、阪急神戸線 夙川駅からバスで苦楽園 下車 北へ徒歩10分
阪神・阪急バス 柏堂町 下車 南へ徒歩5分

中学生は居住地域によっては自転車通学が認められますが、ごく限られた範囲の地域になるため認められるのは全体でも数十人程です。

また、高校生は校舎が坂の上にあるため、安全の観点から自転車通学は禁止されています。

偏差値

甲陽学院中学校の偏差値は73です。
一緒に受験される傾向のある中学校は以下の通りです。

西大和学園、東大寺学園、洛南高等学校附属、洛星、六甲学院、高槻、神戸大学附属、大阪桐蔭、愛光(愛媛)、北嶺(北海道)、函館ラ・サール(北海道)

なお、灘と甲陽学院の偏差値は同程度ですが、試験が同日のため併願して両校とも受験することは不可能です。

内部進学制度

小学校から甲陽学院中学校への内部進学制度:なし
甲陽学院中学校から甲陽学院高等学校への内部進学制度:あり

甲陽学院は中高一貫校のため、進学先は甲陽学院高等学校になります。
甲陽学院高等学校は外部入試での募集は行っておりません。

主な大学合格実績

甲陽学院高校の大学合格実績は次の通りです。

国公立大学 合格者 179名

大学名 合格者 現役
東京大学 27 19
京都大学 47 29
大阪大学 19 16
神戸大学 16 6
北海道大学 6 2
東北大学 3 2
一橋大学 4 4
東京医科歯科大学 0 0
東京工業大学 4 3
岡山大学 1 1
広島大学 1 0
九州大学 1 1
京都府立医科大学 3 0
大阪公立大学 12 2
兵庫県立大学 3 1
奈良県立医科大学 4 3
和歌山県立医科大学 0 0
防衛医科大学校 5 0

私立大学 合格者 296名

大学名 合格者 現役
早稲田大学 32 15
慶應義塾大学 27 5
同志社大学 45 5

甲陽学院中学校の特色

甲陽学院中学校は6年一貫カリキュラムでの授業を行っており、担任団も原則として6年間持ち上がりです。

中学高校とも、生徒が興味を持って取り組む事柄への理解があり、教師陣が全力でバックアップしてくれることも大きな特徴です。

生徒だけでなく、教師陣からの発案で商品を作るなど、挑戦することに対し常に前向きである姿勢が校風となっています。

国内外のコンテストへの挑戦

生徒それぞれが国内外のコンテストに挑戦することも多く、優秀な成績を収めています。

中学生は英語や情報などの分野での受賞、高校生では更に化学、地学、物理など理科系分野での受賞が多く、たくさんの生徒が国内外問わず活躍しています。

中学校と高校が別校舎

中学校と高校が離れた場所にあるため、それぞれに体育館・講堂・食堂・プールなどが設置されています。

中高一貫校ながら日常で中学生と高校生の交流が少ない点は非常に珍しいといえます。

高校では服装や髪型が自由になる

中学では制服があり、宿題も多くノートチェックも徹底されるなどある程度の厳しさはありますが、高校に上がると一転し、制服がなく髪型も自由になります。

スマートフォンやゲーム機の持ち込みは禁止されておりませんが、授業中の使用は認められていません。

休み時間にみんなでゲームをする、といったこともあるようです。

成績優秀者が集う甲陽学院の生徒は、勉強の習慣が既にある程度身についており、また勉強をおろそかにすると周りに遅れをとることを理解しています。

日頃から勉強と息抜きの切り替えがしっかりできる前提があるからこそ、生徒の自主性に任せられている、という背景があります。

クラブ活動・同好会

中学校と高校それぞれにクラブが設置されています。
このクラブ活動を通じて、中学生と高校生が交流する機会もあります。

週に6日活動していますが、中学生は17時下校のため平日は1時間程度しか活動できないのが現状です。

中学校 運動部

野球部 陸上競技部 バスケットボール部
卓球部 テニス部 バレーボール部
剣道部 水泳部 サッカー部
柔道部

中学校 文化部

美術部 音楽部 学報部
物理部 化学部 生物部
天文部 将棋部 社会Ⅰ部
社会Ⅱ部(鉄道研究部)

高校 運動部

野球部 陸上競技部 バスケットボール部
卓球部 サッカー部 バレーボール部
剣道部 テニス部 ハンドボール部
柔道部 水泳部

高校 文化部

アンサンブル部 写真部 将棋部
グリー部 地歴部 天文部
物理部 化学部 生物部
文藝部 美術部 E.S.S.

クラブ活動以外にも同好会があり、数学やPC、旅行やゲームなどの同好会が毎年行われる文化祭「音楽と展覧の会」に向けて活動しています。

甲陽学院中学校はコース分けがない

甲陽学院中学校は他の中高一貫校のようなコース分けがありません。

クラス替えはありますが、成績別にクラスが割り振られることはありません。

高校2年生からは選択授業がありますが、それ以外は文理一緒に授業を受けます。

数学は中学1年生で中学全範囲を終える先取り学習

甲陽学院中学校は特に数学の進度が速く、中学で履修する内容を中学1年生のうちに終えます。

中学2年生で高校1年生の数Ⅰ・Aを終え、中学3年生で高校2年生で学習する内容の半分と数Ⅰ・Aの復習を行います。

進度は速いものの、範囲を少し戻して復習するなど理解を定着させるカリキュラムになっています。

甲陽学院中学校の入学に必要な費用

甲陽学院中学校の入試に合格後、納入する費用です。
別途、制服や学用品等の費用が必要です。

<入学手続き時>
入学金
200,000円
施設設備資金
260,000円
生徒会入会金
3,000円
学用品等購入費
70,000円

約533,000円

<諸経費(4月以降四期分納)>※2023年度実費・年額
授業料
408,000円
教育充実費
165,000円
冷暖房費
20,000円
施設設備維持管理費
84,000円
育友会費
12,000円
生徒会費
5,000円
野外活動・教材費等
160,000円

894,000円

おわりに

甲陽学院中学校の入試傾向とその対策、そして学校の特色や先取り学習についても紹介しました。

アプロットでは、甲陽学院中学校の入試対策はもちろん、進度の速い授業への対策もプロ講師が1対1で行っております。

是非、お気軽にお問合せ下さい。

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