薬学部の受験について

2003年の薬学部新設ラッシュから20年。今もなお、薬学部人気は衰えを知りません。

コロナ禍により、これまで以上に薬の安全性が注目されるようになり、同時に薬剤師の責任感・倫理感も話題になりました。

また、AIの導入も急速に進んでおり、新たなフェーズに入った注目の職業となっています。

薬学部を目指しどの道に進むか

薬学部を目指す受験生には大きく分けて二通りの目標があります。

一つは医療現場で活躍する薬剤師。もう一つは企業や大学にて創薬研究、開発に携わる研究職です。

学部としては、前者が薬学部薬学科で6年制、後者は薬学部創薬科(名称は様々)で4年制です。

まずはどちらの道に興味があるのかを考えましょう。
当然、薬学科に行き薬剤師の資格を取って研究職に就くという道もあります。

国家試験の合格率が意味すること

薬学科における大学選びですが、気にすべきは薬剤師国家試験合格率です。

新設薬学部が増え、キャンパスの垂れ幕にて「薬剤師国家試験合格率9〇%」と大きく掲げている大学をよく目にします。

受験生にとってはこの上ない魅力であり、この大学に入ればほぼ薬剤師になれると思ってしまいますが、注意が必要です。

大学6年の中での進級、また国家試験を受ける前の学内試験の透過率が問題です。

すなわち、学内で認められた学生しか国家試験を受けさせてもらえない、ということが起こっています。

そのような大学が悪いというわけではありません。入学後に相当努力が要るということです。

薬科大は、学内皆が国試のために凌ぎを削っており、部活やサークル活動もそれに合わせて活動しています。

総合大学では他の理系学部に比べると余裕はなく、サークル活動も制限しなければならないケースもあります。

ただ、チーム医療が重視されている昨今において、総合大学の強みもあるでしょう。

入試問題・科目に関して

薬学部は全般的に英語長文においては医療系のテーマがほとんどであり、化学においても有機・無機分野が多くを占めます。

その中でも薬科大は色濃くその傾向が出やすい出題です。

国立の入試科目は、共通テスト5教科に加え二次で数Ⅲまで必要になる所がほとんどであることに対し、私立ではほぼ3科以下で数学はⅢを課さないところがほとんどです。

なかには、化学が必須であと1教科が選択、といった大学や、学部の特性上最重要科目である化学ですら選択制の大学もあります。
それらの場合、合格を勝ち得てから選択していない理数科目の履修が大変です。

例年、推薦入試でも多くの合格を勝ち取っています。
関西でも大薬・神薬・京薬と三大薬科大と立命館・近大・同女があり、神戸学院・摂南・武庫川女子・兵庫医療と選択肢は豊富です。

京薬・立命館を除き併願可であるため、国立志望の受験生や医学部志望の受験生でも受験しておくメリットはあります。

大事なのは、将来を具体的に考え、薬剤師として活躍したいのか、それは総合病院なのか自治体なのかドラッグストアなのか、また、研究に身を捧げるのか、開発に携わりたいのかの志望です。

それにより、目指す大学も変わってきます。

近大のように、医療薬学科として医学部と連携し、チーム医療に従事する人材を育成する学科もあります。同じ薬学部でも中身を見る必要があるのです。

その次に科目です。得手不得手で安易に可能性を狭めないようにすることが大事です。

化学は職業上絶対に必要な学問で一生付き合っていきますので、入試科目から外さないようにしてほしいところですね。

タイトルとURLをコピーしました