年々、入学試験における面接の重要度が増してきております。
特に医学部受験でも注目されるようになり、それには背景があります。
入学試験における面接の重要度
近年、医大生が起こす事件が社会問題にもなっており、不適切診療、嘱託殺人等、医師のモラルに関しても問題に取り上げられています。
又、安楽死問題に対する考え方、インフォームドコンセントの重要性等、医師に求められる資質・人間性が重要視されています。
現実問題、医学部入試現場でも面接の果たす役割は大きくなってきています。
例えば神戸大学医学部では数年前から面接が得点化されなくなりました。
滋賀医科大学では募集要項に「面接は、段階評価を行い、その評価が一定の基準に満たない場合は、総合点の如何にかかわらず不合格とします」と明記されています。
他、弘前や山形・高知・宮崎でも同様の明記がされています。
すなわち学科試験が満点でも、面接が悪ければ落とされるという事です。
又、私立医大の二次試験で落とされる理由の大半は面接です。
避けては通れない面接対策。過去の事例を踏まえて対策に触れていきます。
入学試験の面接官
面接官は「この人をうちの大学に入れていいのか」を見ているため、落とす為の面接ではありません。
ただ、反社会的な発言や倫理感・責任感のない発言、極端に話せなくなる、志望動機が弱すぎる(親が医者だから、儲かりそうだから、ドラマの影響)等は落とされています。
〇よくある質問で「高校で不登校気味の為、出席日数が少ない場合は落とされるのか?」と聞きます。不登校が全面的にダメというわけではなく、大事なのはその理由です。医師には粘り強く物事が進められるかという資質が必要です。出席日数の少ない理由が正当なものであれば自信をもってその理由を伝えることでクリアできています。
〇言うまでもありませんが医学部面接に限ったことではなく「嘘」はタブーです。相手はプロ中のプロです。どれだけ綿密に計算した嘘でも大概の嘘はばれると思っておいてください。
〇グループ面接等で声が小さいと逆に目立ちます。ソーシャルディスタンスやパーテーション越しの為、相手も聞こえづらい状況です。よほどでなければ声が大きすぎるなんてことはほぼないでしょう。
〇取るべきスタンスとして、チーム医療が重要視されている中、「医師が一番偉い」という考えは嫌われます。又、グループディスカッションでは1番多く発言し纏めようとするリーダー役よりも冷静に意見を出す二番手が好まれる傾向があります。
面接官の面接方法
圧迫面接も実際にあります。そこにはちゃんと意図があります。医師になれば当然、様々な患者様と接します。中には態度や口が悪い方、攻撃的、暴力的な方等千差万別です。そこで医師には冷静に且つ毅然と対応する資質が求められます。
実際にあった事例で面接官が肩ひじを突き、貧乏ゆすりしながらぶっきらぼうに「なんで医者になりたいの」「医者以外だったら何になりたいの」「なぜそれにならないの」など明らかに喧嘩を売っている ?と思われる方もいらっしゃったようです。
そこで憮然としてしまったり怒りを態度に出したり、反撃したりしてしまうと相手の思う壺です。腹が立ってもムカついても「そういう意図があるんだ」と割り切り冷静に対応することが大事です。
面接の準備
様々な質問があっても大事なのは「ブレない」ことです。志望動機・どういう医師になりたいかを幹にし、どんな質問に対する返答もすべてそこから伸びた枝として答えていくことが肝要です。
又、志望動機・将来のビジョンの中には「その大学でないと」という要素が絶対不可欠です。
よって、事前にその大学の理念、アドミッションポリシー、どういう研究が盛んで特色は何か等をリサーチした上で大学ごとに戦略を立て、繰り返し練習することが必要です。