英文法はこのテキストを使おう その1

コラム

英文法を勉強するとき、どんなテキストがいいでしょうか?

これは、そのときの生徒さんのレベル・習熟度によって当然答えが変わってきます。

ここでは、高校一年生の生徒さん、または中学まではそれなりに勉強していたけれど、高校に入ってから英語の勉強をさぼっている生徒さんに合うテキストについて考えたいと思います。

対象:高校1年生 または高校1年から英語をサボっている人

最初につけるべき力

英文法を勉強するうえで大切なのは、文の最初から最後までを自分の頭で考えるようになることです。

英文法というのは、言葉の順序のルールと言い換えることもできます。

I waited for her at the station for thirty minutes.

この英文を作るときに、「最初に主語Iが来て、次に動詞「人を待った」のwaitedが来て、人の前にはforがいるな。人のherはその次だな。場所を表す言葉the stationには前置詞atを先につけてあげて、最後に時間を表す言葉for thirty minutesを置こう」と頭が働くことが重要です。

こういうことは慣れてきたら考えずにできるようになりますが、考えずにできるようになるのは考えた経験が何度もあるからです。

この順序を最初から最後まで頭が考えることが重要であって、

問 次の(  )に入れる言葉でふさわしいものはどれでしょう?

I waited (   ) her at the station for thirty minutes.

1. for 2. at 3. in 4.to

こういう問題の中で1.forを選べることよりも(まあそれはそれで重要なのですが)、まずつけるべき力は、最初から最後まで自分で書きとおす力なのです。そちらの方が、自分で英語を話し書く力につながるのですから。

書くテキスト

だから、英文法を学び始めの段階で必要なテキストというのは、“書く”機会を与えてくれるテキストです。

中学英文法まではそういうテキストって多いんですけど、高校になると(テキストの種類は増えるのに)あまりないんですよね。

そういう中でお薦めできるテキストが、『書き込みノート英文法』(今居美月著 株式会社学研プラス)です。

(このテキストは、2009年に同じ出版社から出された『英文法スピード完成ドリル』に加筆・再編集を施したものです。)

このテキストのいい点は、まず中学英語の復習からできるところです。問題・解説の約半分が中学英語に割かれています。

実際、「高校英語」と言われているものには中学で習う範囲の繰り返しの部分が相当含まれています。中学英語を完璧にしなければ、高校英語を始められないと言っていいでしょう。

次にいいところは、上で述べたように、英文を書く問題が比較的多くあるところです。

穴埋め問題も多く、すべてが英文を書く問題とは言えないのですが、それでも市販されている問題集の中では“書く”ことに焦点を合わせたテキストと言えます。

この一冊だけで大学受験に臨むのは無謀です。あくまで高校英語の初歩レベルだと思ってください。

そういうレベルに限定すれば、文法を学ぶ上で重要なレッスンができるテキストだと言えるでしょう。

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