「文法も単語もやったのに」
古文を学ぶ人の多くは、まず古文文法を学び、同時に古文単語を覚えようとします。
文法を一通り学ぶと、大抵は文章読解に入っていくのですが、ここで多くの人は「文法も単語もやったのに古文が読めない!となります。
なぜ古文は分からないのか?
文法を学んでも古文が読めない原因の一つは、文法学習が主に用言や助動詞の活用形や接続といったルールの体系の習得に集中して、文の意味を読み取るような学習になっていないときです。
本当であれば一文一文を正確に訳読する訓練が必要で、しかもその場合、品詞分解に基づいた正確な文法理解に基づいていることが望ましい。
つまり、文法を訳読へと結びつけることが必要で、そのために必要なことを、以前の記事では書きました。
今回は、そのような訳読の訓練を本格的に進めるためのテキストを紹介したいと思います。
そのテキスト名は、
『古文解釈の方法』と『古文解釈はじめの一歩』です。
著者名は共に関谷宏、出版社は駿台文庫です。
対象 : 文法も単語もやったのに古文が分からん!とお嘆きの人
助詞の大切さ
この本を読むと、なぜ文法ドリルだけを解けるようになっても古文を読めないのかが分かります。
古文文法の学習では、分量の面でどうしても助動詞の学習がメインになりがちです。
しかし、上記の本やそれに類する解釈系の参考書を読むと、読解で大切なのは、単語と単語、文と文のつながりを辿ることであり、その際に肝になるのは助詞であることが分かります。
もちろん助詞の学習は文法ドリルでもできるのですが、訳読のレッスンに集中することにより、日本語の読解における助詞の重要性をより痛感することになります。
実は古文の読解は、これらの本を読めばもう大丈夫というわけではありません。(そのことについてはまた稿を改めて述べたいと思います。)
しかし、文法をどれだけやっても読める気がしない人は是非手に取ってください。
殆どの受験生は『古文解釈はじめの一歩』から読み始めればよく、その解釈法をより詳しく知りたいと思った方は『古文解釈の方法』まで読み進めてもらえたらと思います。
ご紹介させていただいたテキストの使い方や受験生であればいつの時期までに終わらせておくのがベストなどのご質問は気軽にお問合せください。