クリスマスは何のお祭りなのか

クリスマスが何の日か、読者の皆さんはご存知でしょうか。

多くの人は「イエス・キリストの誕生日」と答えると思います。確かに、キリスト教ではクリスマスという行事を「イエス・キリストの降誕祭」として祝います。しかし、「降誕祭」の日がそのまま「誕生日」というわけではありません。

そもそもイエスは、生まれた年ですら曖昧な部分があります。西暦はイエスの生まれた年を紀元としていますが、実際の生誕は「紀元前4年」くらいだったのではないかと言われています。
イエスの誕生日は『新約聖書』のどこにも記されていません。また、ナザレの大工の家の生まれだったイエスには、誕生日を推測できるような史料もありません。イエスの誕生日は誰にも分からないんです。実はキリスト教の各宗派も、クリスマスの日をイエス・キリストの誕生日であるとは主張していません。

だとすると、「イエス・キリストの降誕祭」の日は一体どのように決まったのでしょうか?

クリスマスの由来

クリスマスは、1~4世紀頃にローマ帝国国内で信仰されていた宗教「ミトラス教(ミトラ教)」のお祭りの日に由来すると言われています。ミトラス教では、12月25日は「太陽神ミトラスが再誕する日」とされていました。これが後に勢力を伸ばしたキリスト教に取り込まれ、「イエスの降誕祭の日」になったというわけです。

では、そのミトラス教の太陽神再誕の日はどのように決まったのかというと、「太陽が地上に出ている時間の長さ」です。
地軸の傾きにより、地球の北半球中緯度地域では、太陽が地上に出ている時間の長さが季節によって変化します。「春分」及び「秋分」の日には太陽の出ている時間はきっちり12時間。「夏至」に最も長くなり、「冬至」に最も短くなります。

「ある年の冬至から翌年の冬至までの時間」は毎回正確に同じですが、現在の暦では「1年の長さ」は年によって365日または366日になっていて、この時間間隔とずれがあります。そのため、冬至の日は年によって12月21日になったり、12月22日になったりします。

いずれにしても、冬至の日はクリスマスの直前です。クリスマスは、冬至が過ぎて1日の昼の長さが長くなり始める日に設定されているわけです。これが「太陽神の再誕」という行事につながったのでしょう。

冬の日照時間の短さと心の健康

ところで、ちょうどクリスマスの時期に多くなる心の病気をご存知でしょうか。

「季節性情動障害」と呼ばれる病気で、秋から冬にかけて発症するので「冬季うつ病」とも呼ばれています。原因はまだよく分かっていない部分もありますが、概ね日照時間の減少が原因と言われています。日照時間が短くなることで体内時計に狂いが生じたり、光の刺激が減ることで神経伝達物質に悪影響が出る、などの説が提唱されています。抑うつ状態・気力の低下などに悩まされますが、春になって日照時間が回復すると改善することが多いようです。

もともと日照時間の短い北欧の国々では古くから知られた病気でした。光に当たらないことが誘因になっていると考えられるので、予防には、積極的に日光に当たることが有効と言われています。

もしかすると、ちょうど日照時間の最も短い時期にクリスマスというお祭りをするのは、この「冬季うつ病」と無関係ではないかもしれません。お祭りで外に出て日光に当たったり楽しい気分になったりすることで、ふさぎ込みやすい冬の時期を乗り切るための、ローマ帝国時代の人々の知恵だったのかもしれませんね。

クリスマスの時期は大学受験生にとっては追い込みの時期であり、真面目な受験生ほど家にこもりがちになってしまいます。でも、ただでさえ日照の少ない時期に閉じこもってしまうのは、心の健康にとってはあまり良いとは言えません。

メンタルを整えて万全の体制で受験に臨むためにも、この時期だからこそ閉じこもらず、外に出て気分転換するようにしましょう。

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