「シス単」だけ使って京大英作文を書くと… その1

コラム

子供のころに、本を読んで感動したり、わくわくしたりした思い出は、一生消えることのないほど強烈なものである。子供は未知の世界に対し新鮮な好奇心を持ち、想像力が豊かであるため、本の世界のなかで生きることができるのだ。成長してさまざまな試練に出会ったときに、そのような経験が思わぬ力を発揮する場合がある。(2008年京都大学)

最近、受験生が最も多く使っている「システム英単語」(駿台文庫)にある英単語のみを使ってこの問題を解いてみよう。

子供のころに、本を読んで感動したり、わくわくしたりした思い出は、一生消えることのないほど強烈なものである。

まず、「子供のころに」はこの本に書いていないほど基本的だ。

まずas a child, when one was a child, in one’s childhoodが思い浮かぶが、主語を何にするかによって変わるので、後に回す。

 

「本を読んで感動」に近い表現が「システム英単語」にある。

The story touched him deeply.「その話は彼を深く感動させた」とShe was moved by my story.「彼女は私の話に感動した」である。

これを参考にすればよい。

 

「わくわくしたりした」thrilled「わくわくしている」、I’m thrilled to hear your voice.「君の声が聞けてとてもうれしい」が使えそうだ。

「思い出」recollection「記憶」⇒ have no recollection of the past「過去の記憶がない」を参考にする。

「一生」the rest of his life「彼の残りの人生」を参考にしてfor the rest of one’s lifeと言えそうだ。

 

前置詞forを導くには文法の力が必要だ。

ただし完全否定のneverを使えば「一生」を英語にしなくてもいいのではないか。

neverfor the rest of one’s lifeを1つの文で使うのはくどいように思えるのだが。

消える」はvanish⇒vanish from sight「視界から消える」とfade⇒Memories of the war fade away.「戦争の記憶かが薄れる」が書いてあるが、特に後者が参考になる。

強烈な」はvivid「鮮やかな」⇒have vivid memories「鮮やかな思い出がある」を使いたい。そしてこの部分をso~that構文でまとめるときれいにおさまるのではないか。

 

これで「子供のころに、本を読んで感動したり、わくわくしたりした思い出は、一生消えることのないほど強烈なものである。」が書けそうだ。

しかし、英作文において日本語が1文であるからといって英文も1文にしなければいけないわけではない。

例えば、「私たちは子供のころに、本を読んで感動したり、わくわくしたりしたことを覚えている。

そのような思い出は、一生消えることのないほど強烈なものである。」のように日本語を変えてこれを英文にする方が簡単だ。

英語にしやすい日本語に変える。英作文の鉄則だ。

以上より、僕の解答は

We remember that we were moved and thrilled by (reading) books in our childhood. Such memories are so vivid that they will never fade away.

子供は未知の世界に対し新鮮な好奇心を持ち、想像力が豊かであるため、本の世界のなかで生きることができるのだ。

まず「未知の世界」をどう表現するか。とりあえずthe strange worldとしておこう。

この問題で最も難しいのは「新鮮な好奇心」だ。

freshが使えるかどうか不安である。

それはともかく「好奇心」はcuriosityだ。

形容詞curious「好奇心が強い」⇒ be curious about everything「何にでも好奇心をもつ」も使えそうだ。

「新鮮な好奇心」を持つというのをどう表現すればいいのか。

「新鮮な好奇心」⇒「生まれながらの好奇心」と考え、「彼の生まれながらの才能」his natural abilitiesは使えそうだ。

手元にある英英辞典(Longman Dictionary of Contemporary English)curiosityを調べると、Children have a natural curiosity about the world around them.という文が載っている。

「想像力が豊か」imaginative⇒an imaginative writer「想像力豊かな作家」を使えばいいだろう。

「本の世界」は「架空(空想)の世界」と考え直してimaginaryかfictionalを使いたいここでもso~that構文が使えそうだが、前に使ったので今回は断念する。

以上より、僕の解答は

Children have a natural curiosity about the strange world (around them) and are imaginative. This is why they can live in the fictional world.

成長してさまざまな試練に出会ったときに、そのような経験が思わぬ力を発揮する場合がある。

 

まず「成長する」grow upでいいだろう。中学時代に学んだ結果のto不定詞が使えそうだ。

「さまざまな」various ⇒various kinds of flowers「さまざまな種類の花」でいいのではないか。

「試練」はchallenge ⇒face a new challenge「新しい難問に直面する」、hardship⇒face economic hardship「経済的苦難に直面する」が使えそうだ。

「経験」は当然experienceでいいだろう。

「思わぬ」は「予想外の」ということでunexpectedが思いつく。

ただしexpectは「システム英単語」に載っているのにunexpectedは載っていない。

「力を発揮する」は文字通りforceを使うのではなく、「役に立つ」と考えて簡単なhelpusefulまたは動詞benefit、形容詞 beneficialなどを使えばいいだろう。

「場合がある」は副詞sometimesまたは助動詞canを使えばいいのではないか。以上より僕の解答は、

When they grow up to face various challenges, such experiences can help them unexpectedly.

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